昨今、アクティブ・ラーニングやPBL（PROJECT BASED LEARNING）といった、能動的な学びの場が全国的に拡がりをみせています。アクティブ・ラーニングは、学習者がアクティブに（主体的に）ラーニング（学ぶ）手法として、従来型の知識付与型の教育手法と対をなす教育手法として注目されています。

では、参加型のプログラムであれば、本当に主体的な学びを生み出されるのでしょうか？
また知識付与型の教育手法よりもPBLは優れた教育手法なのでしょうか？
あるいは、高次な主体的な学びの場を生み出すためには何が必要なのでしょうか？

これらPBLの実践者であれば一度は立ち止まり、考えるであろう問いに対して、アカデミックな理論は多くの実証を重ねながら、一定の解を提示しています。私たちはこれらの理論をPBLの実践者が学び、実践できる場を作り出していきたいと考え、2018年10月にシリーズ「PBL実践のための基礎スキル講座」を開講しました。

とはいえ私たちは、理論通りに振る舞えるPBLの実践者を育てるために本プロジェクトを始めたわけではありません。

振り返れば、これまでにもアクティブラーニングやPBLを実践する人にとっての学びの場として、お互いの事例を共有する場が全国各地で設けられてきました。しかし、ただ事例を共有するだけで本当にPBLの実践者はより良い学びの場を生み出すためのエッセンスを学び得るのでしょうか。その答えは、NOです。

自分自身の実践、また、他者の実践から学ぶ際に必要なのは、メタに分析する視点です。つまり、単に上手くいった／失敗したという結果に左右されることなく、そのプロセスの何が優れていて、何が問題だったのかを分析してこそ、私たちは事例から学ぶことができます。

よって「PBL実践のための基礎スキル講座」においてもPBLの実践者は理論を学んだ上で、これまでの自分自身の実践をメタ分析することで、より高次な学びの場を作り出すためのエッセンスを体得します。また「PBL実践のための基礎スキル講座」を受講後、お互いの実践を持ち寄り、メタに分析し合いながら、学び合う場も開催していきます。

私たちが目指しているのは、BEYOND、つまり既存の先人の蓄積に学び、越えていくことによる、学びの可能性を拡張することです。

そのために理論を土台としながら、未だ理論では明らかにされてこなかった実践を生み出し、相互にその実践を分析しながら、さらに高次な実践を生み出していきます。

シリーズ「PBL実践のための基礎スキル講座」は、PBLを企画し、デザインし、ナビゲートし、学習者に学びとして定着させるまでの一連の流れの中で教授者が必要となるスキルを、体系的・網羅的に身につけることができる講座です。

この講座を受講いただくことで、より効果的なPBLを実施することができるようになるだけでなく、PBLの実践事例をメタ的な視点で議論し、自身の実践に活かせるようになることを目指していきます。

数時限で行われる短期間のPBLから、半年〜１年をかけて実施される長期間のPBLまで、様々な実践の場で活用できるスキルを体得できる講座となっておりますので、PBLをすでに実践されている方も、これから導入していきたいと考えている方も、ぜひご参加ください。

【主な対象者】

・PBLの実践者で、更に高次のPBLを実現するために理論と実践知をアクティブに学ぶ意欲のある方

・理論を学ぶだけでなく、自ら実践とメタ分析を通して、お互いに学び合う意欲のある方

【シリーズ全体の構成】

１．学びを深める基礎的なインストラクション｜デザイン
２．対話が促進される有機的なチームビルディングと校外協力者の巻き込み
３．主体性・積極性を学習者から引き出すためのデザインとファシリテーション
４．プロジェクトを円滑に進め、豊かな学びにつなげるサポーターとしてのスキル

- 詳細な情報はこちらから -

極む！ファシリテーターズ・ガチキャンプは、PBLの実践者がその実践を持ち寄り、お互いに披露し合いながら、お互いの実践をメタに分析することを通して学び合う場です。

【主な対象者】

・シリーズ「PBL実践のための基礎スキル講座」あるいはこれと同等のプログラムを修了し、お互いの手法・実践をメタに分析し、学び合うための知識、スキルを有している方