PBL実践のための基礎スキル講座
Produced by BEYOND/C
「PBL実践のための基礎スキル講座」とは
「PBL実践のための基礎スキル講座」は、PBLを企画し、デザインし、ナビゲートし、学習者に学びとして定着させるまでの一連の流れの中で教授者が必要となるスキルを、体系的・網羅的に身につけるための、全4回の講座です。教育工学などの知識を座学でお伝えするだけでなく、実際にワークやディスカッションを取り入れ、相互に学びを深めることができます。
この講座を受講いただくことで、より効果的なPBLを実施することができるようになるだけでなく、PBLの実践事例をメタ的な視点で議論し、自身の実践に活かせるようになることを目指していきます。数時限で行われる短期間のPBLから、半年〜1年をかけて実施される長期間のPBLまで、様々な実践の場で活用できるスキルを体得できる講座となっておりますので、PBLをすでに実践されている方も、これから導入していきたいと考えている方も、ぜひご参加ください。
理論学習と実践を通して学び合う
全4回4ヶ月間のプログラム
本講座は、全4回の講座及び、それぞれの教育現場での実践からなる、4ヶ月間のプログラムです。受講者は講座に参加することでPBLを実施するために必要にして十分な知見・スキルを習得できます。また「学習者中心主義」の視点で実践および事例から学ぶことを通して、より深い参加者同士の相互作用と学びの進化が期待されます。
また各講座の間の実践期間に任意参加型のオンライン・フォローアップを開催します。オンライン・フォローアップでは参加者の課題を共有し、実践を促進する情報提供を行います。
受講対象者
- PBLの実践者で、更に高次のPBLを実現するために理論と実践知をアクティブに学ぶ意欲のある方
- 理論を学ぶだけでなく、自ら実践とメタ分析を通して、お互いに学び合う意欲のある方
- 新たな学びの手法として、PBLを企画しようという意欲のある方
- PBLの実践者で、更に高次のPBLを実現しようとしている方
- 教務主任として他の教員に指導するにあたり、PBLについて体系的に学び直したい方
- 自社の研修などを企画されている方で、より高度なプロジェクト型の学びを生み出したい方
- 教育サービスとしてPBL、ワークショップ、研修を提供しており、更に高次のPBLを実現しようとしている方
参加することで得られるメリット
- 学校教育・企業内教育双方の場で通用する質の高いPBLを企画、提供するための必要にして十分な理論とスキルの習得
- 「深い学びを生み出したい」という想いを共有する教育機関、民間企業、教育ベンダーといった普段の業務では接点のない意欲的な同志とのつながり
過去の参加者の声
- 理論と実践の両方を学ぶことができ、とても良い学びになりました。濃い、良いプログラムです。(Kさん S大学付属中学校 教員)
- アクティブラーニング、PBLにおけるデザインと実践がよくわかっていない人が多い中で、自分たちの実践を振り返り、今後の実践をデザインするための枠組みを紹介してくれる講座でした。ぜひ、同僚にも勧めてみたいです。(Sさん A大学教員)
- PBLのデザイン、フレームワーク、またそれらに対する学術的なバックグラウンドが学べ、理論的でありながら実践的な講座でした。異業種の方も交えて研修に参加する機会は少ないため、本当に勉強になりました。(Sさん S高等専門学校 教員)
- 自分がやっていることをPBLのフレームワークに分類し、理解につなげていくことができました。また、民間企業の方の話を聞けたこともとても有益でした。今後、PBLのプランニングや実施にあたって困っている教員がいたら、ぜひ勧めたいと思います。(Sさん K大学付属高校教員
- 非常に参考になりました。アクティビティにおける問いやアクティビティそのものの背景にあるものの考え方が大切だということがわかりました。(Tさん メーカー 研修担当者)
- 人材育成に携わりながらも、理論を学ぶ機会なく取り組んでいることが多いので、学びの場として同僚や他社の研修担当者にもすすめていきたいです(Kさん メーカー 研修担当者)
- まさにPBLのデザインをどうしようと思ってこの講座に参加しました。PBLのフレームワークはすぐ使えるように思います。また、ID、ICEモデルなどの理論は先生だけでなく、企業の人材育成の現場やOJTなどでも活用できる考え方だと思いました。(Kさん 教育ベンダー)
- プロジェクト学習を構造的に理解でき、かつ、何をどうするべきかを言語化できました。自分の実践を振り返りながら、理論を学べるのもとても有益でした。(Hさん アパレル 研修担当者)
シリーズ全体の構成
Class01. 学びを深めるインストラクションとPBLデザインの基礎
Class02. 対話が促進される有機的なチームビルディングと校外協力者の巻き込み
Class03. 主体性・積極性を学習者から引き出すためのデザインとファシリテーション
Class04. プロジェクトを円滑に進め、豊かな学びにつなげるサポーターとしてのスキル
Class01.
学びを深めるインストラクションとPBLデザインの基礎日本では、先生が板書し、学習者がそれを写し、練習ドリルでテストに備える、といういわば「解法パターンの記憶」が長らく学校教育の学びの強固なプロトコルとなっていました。これは「どう学ぶか」の領域の話です。
一方、国語、算数、理科、社会、英語といった、「主要5教科」以外に、メタ的な「学ぶ力」や社会人基礎力などの「生きる力」を学校教育の中で扱うという方向性が明確に打ち出されていますが、これは「何を学ぶか」の領域の話です。
アクティブ・ラーニングの議論で、ほぼ必ず出てくるフレーズ「主体的・対話的で深い学び」は、実はこの「どう学ぶか」と「何を学ぶか」が混在しているため、様々な解釈とローカルな議論を呼んでしまう原因となっています。
第1回は学びを深める基本的なデザインの手法と、学びの目標や問いの設定について学びます。
さらにメタ分析としては、実際にアクティブ・ラーニングの先端的実践校で行われているPBLの実例を取り上げ、デザイン上、何がどのように機能しているのかを、PBLのデザインフレームをベースに分析を試みます。
学習項目:
・Goal-based
・学びの目標 KSA
・ブルームの6分類(タクソノミー)
・学びのメカニズム Input-Process-Output-Memory
・ICEアプローチ
・最近接発達領域
・3種類の学びへのアプローチ
・メリルのインストラクショナル第一原則
・PBLでの学びの基本構造
・Driving Question(中心の問い)
・PBLのデザインフレーム
・自由度のハイリスクハイリターン
・プロジェクトマネジメント
・タイムラインとWBS(要素成果物ベース)Class02.
対話が促進される有機的なチームビルディングと校外協力者の巻き込み「対話的な学び」を期待される日本でのPBLは、ほとんどの場合チームでの活動が主になります。ところが、“仲良しチーム”を組ませると、それまでの関係性に影響されたり、逆に“新たなチーム”で進めようとするとせっかくの多様性が活かされなかったりと、なかなか有機的なチーム活動につなげていくのは難しいものです。
また、より高度なPBLでは校外の「他者」を巻き込み、さらなる対話を求めようとするものの、ほどよい協力者と出会い、良好な関係性の中でプロジェクトを進めていけるケースはそれほど多くないのが実状でしょう。
第2回はそもそもの人と人との関係性に関わる基礎的な理論の上に、チーム作り、企画者・学習者が校外の協力者とどのようにWin-Winの関係を結んでいけばよいのか具体策を考えていきます。
また、メタ分析としては「ワクワク系」アイスブレークと「じわじわ系」アイスブレークを対比させ、それぞれの機能的な分解を試み、様々な手法を「見極め」「応用的に取り入れる」力を養います。
学習項目:
チームとグループ
タックマンモデル
F2LOモデル
ジグソーメソッド
行動主義/構成主義
協力者の巻込みの手順Class03.
主体性・積極性を学習者から引き出すためのデザインとファシリテーションPBLがうまくいっているなと感じられるのは、チーム活動が主体的・積極的に行われているときではないでしょうか。しかし、実際のところ、すべてのチームで全員に主体的・積極的な活動を行わせるのは難しいものです。また、主体的な活動をしていたとしても、本来の目的とは違う方向に向かって行ってしまったら、どのように軌道修正したらよいのでしょうか。
第3回は、人がどんな時に主体的・積極的に動くのかというモチベーション理論や、プロジェクトの進み具合に合わせたモチベーションの高め方、活動を正しい方向へと向かわせるための介入方法といったファシリテーションのスキルを学びます。
またアクティビティをメタ的に分析する練習として、本講座ではQFT(ハテナソン)を取り上げます。まず、全員が学習者の立場でQFT(ハテナソン)を体験し、次にQFTがどのようなデザイン構造で主体性・積極性を引き出しているのかを分析していきます。
学習項目:
主体性・積極性=行動の選択
2種類のモチベーション
判決的介入と修復的介入
ARCSモデル
VIE理論
ドラマチック構成Class04.
プロジェクトを円滑に進め、豊かな学びにつなげるサポーターとしてのスキルPBLに取り組み始めると、プロジェクトのテーマや目標に対して、学習者は様々な参加態度で望むことに気がつきます。
とても前向きなメンバーもいれば、中には、全くテーマに対して興味が持てない、というメンバーもいたりするのが実情でしょう。
また、最近では「アクティブラーニング疲れ」という現象も起きていて、表面上は一所懸命取り組んでいるように見えて、実際は作業としてこなしているだけ、ということもあるようです。
第4回は、テーマに対しての興味や意義づけを見出すことをどのように支援するか、プロジェクトへの介入、活動を学びにリンクさせるリフレクションなど、プロジェクトのサポーターとしての基礎スキルを扱います。
また、メタ分析として「アクティブラーニング失敗事例 ハンドブック」を取り上げ、問題発生前と問題発生後の2つに明確に分けた上で、原因と対策案分析を行います。
学習項目:
2種類のリスクマネジメント
コンティンジェンシープラン
成人学習者の学びとは
2種類のモチベーション
PBLでの学びの基本構造
現状分析ー介入サイクル
予実管理
タックマンモデルによる現状分析
介入の留意点
Learning Reflection Matrix
経験学習モデル
ORID*学習項目に含まれる理論は、変更する場合がございます。ご了承ください。
受講生 募集情報
参加費用
- 一般 28,000円
- アカデミーパック 15,000円
上記金額には、4回の講座受講費用、講座間のフォローアップ、テキスト費用が含まれます。
※アカデミーパックは教育系NPO法人にお勤めの方・学校関係者・学生限定です。
会場までの交通費など講座参加にかかる経費はご負担ください。
よくある質問と回答はこちらからご確認ください。また、ご不明点は何なりとお問い合わせください。
Q. どうしても1日程参加できない日程があるのですが、個別日程だけ追加開催してもらうことはできませんか?
(A)
本講座内での個別クラスを追加開催する予定はございませんが、別途オンラインでのフォローアップなどで欠席者のみなさまには講座内容を共有させていただきます。
また、ご参加いただけなかったクラスに関してのみ、第2期以降の講座に繰越参加いただくことも可能です。Q. キャンセル料金は発生しますか?
講座開始前日までのキャンセルについては、キャンセル料金は発生いたしません。講座開始後は原則ご返金できませんので、悪しからずご了承くださいませ。
Q. 本講座は、東京でしか開催されないのでしょうか?
(A)今後、他都市での開催も検討してまいります。8名以上お集まりいただける場合は、個別開催も検討いたしますので、ご相談ください。
Q. オンラインのフォローアップは参加必須でしょうか?また、必要な機材や環境はありますか?
オンラインのフォローアップは任意参加となります。
また、オンラインのフォローアップはオンライン会議システム「zoom」を用いて実施いたします。インターネットへの接続環境のあるPC、タブレット、スマートフォンをご用意くださいませ。
Q.どのような団体が開催しているのでしょうか?(A)
本講座の主催BEYOND/Cは、
・株式会社エイチ・アール・ディー研究所 http://hrdins.co.jp
・こども国連環境会議推進協会 http://junec.gr.jp/
・ミテモ株式会社 https://www.mitemo.co.jp/
の、3社にて運営しております。
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